上田市の住宅地の中にぽっかり空いていた変形敷地に家族3人で暮らす家です。敷地探しから依頼を頂き、市街地からさほど離れていない場所で密集した造成地ではなく静かな環境が好ましいとのご希望を伺いました。そこで住宅地の中に取り残されたように残っていた瓢箪のような広い変形敷地に出会いました。狭い引込道路を抜けると敷地は2つに分断されており奥にはリンゴ畑がありました。時間が止まったような静かな空気を感じることができました。ここは建築主さんが求める環境にぴったちではないかと思いお勧めをして設計に取り掛かりました。
家のご要望は子供も大きくなって巣立っていくので別荘感覚で落ち着けてプライバシーを保てるものが良いとのことでした。変形敷地でもあり四角いを造るには不向きであったため分断された半分の敷地を目いっぱいに使いました。中庭を北東のリンゴ畑側に設けて3方向に外部の回廊を設けて開き採光、通風は中庭を介して確保しました。一方の建物玄関のある南西側を出来る限り閉じることによってプライバシーを保ちながら落ち着いた静かな空間が出来たと思います。北西側に開くことで採光を確保することが難しいのではないかと危惧していましたが、LDKには朝日がまぶしい程入り、寝室には夕日が心地よく入ります。時間によって太陽光の入り方が変わる心地よい空間が出来たと思います。