ATTAアトリエtaは今年の5月で10周年となりました。10年前に無計画のまま務めていた設計事務所を退職し上田に戻って独立することだけを決めてアパート住まいを始めました。そこの一室でアトリエtaの歴史は始まりました。何のツテも無くホームページを作っても載せる実績もない事務所に仕事の依頼がある訳も無く、子どもは小さく妻は育休中であり、家族3人のんびり過ごしていました。このままではいけない。何か実績を作らなければいけないと思い自宅兼事務所の設計を開始しました。時間だけはたっぷりあります。検討を重ね、修行時代に出来なかったことを盛り込んで出来上がったのが『ATTAHOUSE(2015)』です。この時既に開業から2年近くが経っていました。事務所が完成して間もなく上田原にクリニックを建てる計画と長野市に2世帯住宅を建てる計画が舞い込みます。幸運にも自分が想定していたより大きな仕事を頂くことが出来たのです。それが『上田原のクリニック(2016)』と『中御所の2世帯の家(2016)』です。当時はとにかく必死で設計に取り組みました。そして実績のほぼ無い私を信頼してくださった建て主さまには本当に感謝していますし大変有難いことだったとつくづく実感しています。またこの気持ちを忘れずに「一つ一つの業務を丁寧に行うこと」が私の事務所の指針になっています。
この10年の期間には台風による大規模な被害や新型コロナウィルスの影響による社会の変化など様々な事が起きました。日々変わってゆく時代の要請と、信州で設計活動をする意義を常に考えながら設計を続けて行こうと考えています。今後も素敵な建て主さまとの出会いを大切に、ひとつひとつ丁寧な設計をして行きます。どうぞお付き合いの程よろしくお願い申し上げます。
ATTA tawara