昭和民家のリノベーション
上田市上塩尻の家リノベーションです。築40年程の母屋の改修を依頼された時には解体して新築をするか改修をするか悩まれていました。古くなった住宅をフルリノベーションをする事は大きな壁があります。近年の地球温暖化に伴う二酸化炭素排出削減の方針の流れで住宅の断熱基準は右肩上がりに厳しくなっています。また大地震が起きるたびに耐震基準も上がります。古い住宅はすべて現在の基準に合わなくなっているのです。一定の基準に満たない場合には住宅ローン減税の対象になりません。ストック型社会を目指すことがとても難しくなっているのです。リノベーションをきちんと行うにはまず耐震改修と断熱改修をしなければいけません。具体的には基礎、壁の補強、サッシの取り換え、断熱材の設置です。これを行たうえでようやくプランの変更、内外装の変更を行うのです。躯体のみを残すスケルトン状態に解体しこれらの補修、改修を行うと新築で建てるのと同等のコストが掛かってしまいます。今回建て主様は昭和の立派な造りの民家であったことも後押しし、想い出のある母屋を残すことを決断されました。結果的に新築では出来ない風格のある住宅が蘇ったと思います。住宅をリノベーションをする場合には大きな壁があることを前提に検討される必要があることがわかったプロジェクトでした。
建物DADA/木造平屋建て/延床面積207㎡