2014.05
内装工事の進む中、今回は階段の造作工事です。
まず材料ですが、杉無垢板で厚さ40mmを使用しています。
1枚ものの板を12枚。とても贅沢な材料選定となりました。
階段の材料は一般的にタモやナラ等の堅木の集成材を使います。
それは毎日の歩行に耐えられる強度があり安全で、材料も入手し易いからです。
とても理に適った材料だからです。
しかし今回は自分の家ということもありあえて柔らかい杉材を選定しました。
理由は『フローリング張り』と同じで
身体感覚の問題です。固い肌触りでテカテカに塗装された階段よりも
木の柔らかさを直に感じられる方が良いと感じたのです。
材料はサンダー掛けをせずに機械で加工したままの状態としました。
表面は適度にざらざらしていて滑り止めにもなります。
ただし最大の欠点はフローリング同様、傷つき易さです。使うにはある程度の覚悟が必要です。
階段を歩くことは、床を歩くことと違い、視線が上下に移動する動線ということです。
建物の空間認識を視覚的に最も刺激してくれる場所です。
従来の階段室は階段だけの閉じた空間で上下の移動だけを目的としています。
信州においては寒さ対策としてはとても有効です。
しかし、空調対策をしっかり考えた上で、階段の持つ視覚の面白さを存分に生かす
ことができれば、豊かな空間を生み出すきっかけになるのではないかと考えています。
アトリエta 俵